恋愛日記


そういう風にさせてたのは俺だったか……。


本当は、じゃあそいつと幸せになれよって言ってあげるべきだった。


菜知のこと手放して、幸せを他校のそいつに託す言葉をかけてやるべきだった。


だけど、そんな事言えなくて、黙っていると菜知が指輪を外す。


一瞬、その指輪をすごく優しそうな表情で見ていたけれど、

それは俺の都合のいいとらえ方だ。


観覧車が地上につくと同時に指輪を返され、出ていく菜知。

追いかけろ。

追いかけて、俺はお前のこと大好きなんだって言えばいい。

そしたら、優しい彼女のことだから考え直してくれるかもしれない。



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