理想の男~Magic of Love~
突然のように叫んだ私に、浩治は震えた。

「私、言ったよね!?」

震えている彼を気にしている場合じゃなかった。

「距離を置きたいって、ちゃんと言ったよね!?

電話もするな。

メールもするな。

会いにくるな。

私、ちゃんと言ったよね!?」

怒鳴りながらまくし立てる私に、浩治は固まっていた。

そりゃ、そうだ。

叫んだのも、怒鳴ったのも、今日が初めてだったから。

私の初めての姿を見たから、驚いている。
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