理想の男~Magic of Love~
「幸せを願おうと思ってた」

藤が言った。

――幸せ?

その言葉の意味が、私はわからなかった。

藤は続けて、
「愛莉の幸せを願おうって、そう思った。

俺が愛莉を幸せにできない代わりに、願おうって」

「――藤…?」

何を言ってるの?

幸せとか、願おうとか、藤は何を言ってるの?

「愛莉が好きな人と幸せになれますように、って」

そう言って、藤は悲しそうに微笑んだ。

「それで俺の片思いが報われるなら、好きな女の幸せを願うことなんて苦しくない」

藤はポンと、私の頭に手を置いた。
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