理想の男~Magic of Love~
私の質問に、
「最初から話した方がいいか?」

藤は笑いながら言った。

「当たり前じゃない、1番知りたいことなんだから」

そう返した私に、
「そうだな」

藤は大きな手を伸ばして、私の頭をなでた。

その大きな手にホッとして、安心している自分がいた。

私は、本当に藤のことを好きになったんだと改めて知った。

なでていたその手は髪の毛を少し弄んだ後、そっと離れた。

「今日はなしか?」

イジワルそうに藤は笑った。

また私が藤の手をつかむと思ったのだろう。

「話が先です…」

真っ赤になった顔を隠すように、私はうつむいた。
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