理想の男~Magic of Love~
「――愛莉…」

そう、愛莉だったからだ。

当の愛莉は酔っ払っていた。

真っ赤な顔からして見ると、相当なまでにお酒を飲んだと言うことが一目でわかった。

フラフラと、愛莉はおぼつかないその足取りでどこかへ行こうとする。

それがどうしようもなくて、
「お客様、大丈夫ですか?」

俺は思わず声をかけてしまった。

声をかけた俺に、
「だいじょーぶー!」

ケタケタと愛莉が笑いながら答えた。

いつもとは違うその笑顔だったが、それでも俺は愛しく思えた。

終わった片思いなのに、俺はまだ愛莉に未練を持っているみたいだった。

そんな風に感傷に浸っていた俺に、
「はあ、結婚ヤだなあ」

愛莉が呟いた。
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