理想の男~Magic of Love~
「――あ…えっと、どうも」

藤にかける言葉が見つからなくてとりあえず、あいさつをした。

「偶然、ここを通りかかったから…」

私は、一体何が言いたいのだろうか?

「偶然ねえ…」

藤は考えるように呟いた後、
「お出かけですか、レレレのレ」
と、言った。

…ものすごく懐かしいギャグをありがとうございます。

ギャグに固まっている私に、
「すまん、何でもない」

藤は否定するように右手を横に振った。

「――友達と、遊びに出かけた帰りなんです…」

そんな彼に私はウソをついた。

この人には、さっきまで浩治と一緒にいたことを知られたくなかったからだ。
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