浮気は、いいよ。
優里の方に足を運ぶも、号泣しながらも優里はオレを寄せ付けない。
優里の肩に手を置けば払われて、優里に1歩近づけば優里も1歩後ずさる。
何も出来ないまま、優里が落ち着くのを待つしかなかった。
暫くして
「叩いてゴメン。 ・・・・痛かったでしょ」
優里がしゃくりあげながら言葉を発した。
「平気。 ・・・・叩かせる様な事してごめん。 優里だって、叩きたくて叩いたわけじゃないの、分かってるから」
むしろ、ボコボコにされても文句など言えない。
それくらいの事を優里にしたから。
「・・・・・だってお金しかないじゃない。 何にもなしに納得出来る程、ワタシはキレイな心を持っていない」
・・・・・違う。
少しはそういう気持ちもあるだろうけど、慰謝料請求はきっとそんな気持ちでしていない。
優里はこれからの生活の為に請求したんだ。
優里は2年働いていない。
貯金がそう多くない事を、オレは知っている。
立ち上がって引き出しから通帳、印鑑、家の権利書を取り出し、優里の前に置いた。
「保険も解約する。 全部優里にあげる。 全部優里のもの」