浮気は、いいよ。
「・・・・本当に本当に、優里が好きなんだよ、オレ」
「・・・・じゃあ、なんで沙耶香と・・・・」
優里がまた、泣き出す。
「・・・・優里の前でカッコつけるのが疲れる様になってさ・・・。 今日のオレがホントのオレ。 自分勝手で女々しくてダサくて。 でも、優里に嫌われたくなくて、ずっと取り繕ってた。 沙耶香と一緒にいるの、楽だった」
「・・・・馬鹿だね、幸太郎。 なんで気づかないの?? 幸太郎は沙耶香が好きなんだよ。 一緒にいて疲れるワタシより、沙耶香の方がイイに決まってるじゃん」
優里が、何故か穏やかな顔をして少し笑った。
「・・・・そっか。 理由が聞けて良かった」
心のモヤモヤを少し薄める事が出来たかの様な優里は、小さな溜息を吐きながらも目じりを下げた。
「・・・・・違う。 疲れても何でも、一緒にいたいのは優里だよ。 沙耶香じゃない」
「益々馬鹿なの?? 幸太郎は、沙耶香の慰謝料の支払いを買って出るくらい沙耶香が好きなんだよ」
優里は少し、オレに呆れている様だった。
コレを言ったら確実に嫌われる。
でも、もう嘘は吐かない。
「・・・・優里を失って一人になるのが怖かった。 優里で空いた穴をどうにかして塞ぐ手立てが欲しかった。 優里の代わりなんかいないから、塞げないのなんか分かってたんだけど、でも、誰か傍にいて欲しかった。 ・・・・沙耶香なら、傍にいてくれると思った」
「・・・・・・悠介、エスパーだ」
優里が目を丸くした。
「・・・・え??」
「悠介も同じこと言ってた。 でも・・・・そんな取って付けた様な話、なんか信じらんないよね」
優里の言うとおり。 言い訳が陳腐すぎる。
でも、これ以上の真実がない。
信じてもらえないのなら
「・・・・・・坊主にしたら、ちょっとは信じる気になる??」
日本古来の反省方法を採用。
切羽詰ったオレにはもう、コレくらいしか思いつかない。
「うん」
実は優里なら止めてくれると踏んでいた。
きっとそんなオレのいやらしさが滲み出ていたのだろう。
優里はオレを止める事なく
オレを試す様な視線を向けていた。