浮気は、いいよ。
途切れ途切れの声で家の場所を伝えると、悠介は探し当てて来てくれた。
ちゃんと話せてたか分からない。
でも、懸命に伝えると
悠介は『うんうん』とワタシの背中を摩りながら聞いてくれた。
「確かめよう」
ワタシの話を一通り聞き終えた悠介の提案。
「だって、まだわかんないだろ⁇ 優里の勘違いかもしれないじゃん」
悠介はワタシにボールペンの様なモノを手渡した。
「何、コレ」
「会議の時にいつも使ってるレコーダー。 ベッドの下にでも転がしとけ。 『今日は家には帰らない』って旦那にメールしてみ⁇」
さすがに、昼にエッチして夜もまた沙耶香を呼んだりするのだろうか⁇などと考えられる様になったワタシは、悠介が来てくれたおかげで少し冷静を取り戻せたのかもしれない。
「………ワタシはドコに泊まればいいの⁇」
「オレん家」
「……………」
「うそ。 ホテル予約した」
そう言いながら、悠介は『予約完了』と書かれたスマホの画面をワタシに見せた。
「………出来る営業マンですね」
「照れるー」
わざとふざける悠介に、少し笑った。