浮気は、いいよ。


部屋をキョロキョロ見回す悠介に



「コーヒーと紅茶くらいしかないんだけど……」



と声を掛けると



「おかまいなくー」



と言いながら、悠介は何のお構いもなくベランダに出ては『景色イイね、ココ』などと言って笑った。



なんて自由な人なんだ、悠介。



おかまいなくとは言われたけれど、取り敢えずコーヒーとクッキーをテーブルに置いた。



「いい加減戻ってきてよ」



「はーい」



ベランダから戻ってきた悠介は、ソファーに座るなり、クッキーを口に放り込んではコーヒーを啜った。



悠介は、ちょっとコドモっぽくて和む。



「あっちが噂の寝室ですか⁇」



悠介が寝室の方に目をやった。



寝室にはまだあのレコーダーが転がっている。



「…………うん」




レコーダーを取りに寝室へ向かった。
< 28 / 159 >

この作品をシェア

pagetop