浮気は、いいよ。
部屋をキョロキョロ見回す悠介に
「コーヒーと紅茶くらいしかないんだけど……」
と声を掛けると
「おかまいなくー」
と言いながら、悠介は何のお構いもなくベランダに出ては『景色イイね、ココ』などと言って笑った。
なんて自由な人なんだ、悠介。
おかまいなくとは言われたけれど、取り敢えずコーヒーとクッキーをテーブルに置いた。
「いい加減戻ってきてよ」
「はーい」
ベランダから戻ってきた悠介は、ソファーに座るなり、クッキーを口に放り込んではコーヒーを啜った。
悠介は、ちょっとコドモっぽくて和む。
「あっちが噂の寝室ですか⁇」
悠介が寝室の方に目をやった。
寝室にはまだあのレコーダーが転がっている。
「…………うん」
レコーダーを取りに寝室へ向かった。