浮気は、いいよ。


目を、鼻を、口を、トイレットペーパーで拭う。



ワタシの顔、ぐしゃぐしゃなんだろうな。



俯きながらトイレを出ると、ドアの側で悠介が待っていた。



悠介は何も言わずにワタシを抱き寄せて頭を撫でた。



もう片方の手で、子どもを寝かしつける様に、背中を『ポンポン』撫でてくれて



悠介は、ワタシの平常心を取り戻そうとしてくれている様だった。



悠介の匂いは、心を落ち着かせた。



「………悠介、シゴト………」



ワタシ、いっぱいいっぱいだからって、自分の事ばっかりだ。



「こっちが大事」


なんて言う悠介に、こんな状態でもドキドキした自分の節操のなさが嫌になる。
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