それだけ ~先生が好き~


廊下をいつもの笑顔で歩く先生を見つめる。


先生と話している生徒は、いつも笑っているよね。


私もそうなのかな。


先生の声が耳を離れなくて、あの女の子たちがうらやましくなる。



何もないようになんてできない。



いつも通り・・・なんて無理。



だけど、こんな私を先生はわかってくれているから。


大丈夫、って自分に言い聞かせる。





いつの間にか、担任がHRを始めていた。



「えっと、昨日3階の廊下の天井に穴が開いていたけど、やったの誰だ?ちゃんと申し出ろよ。うちのクラスじゃなくても、知ってる奴いたら教えて」



「あ!」



いきなり大きい声がした。


その声の主は、城田・・・。


席替えをして、また近くになった。


でも、いきなりどうしたんだろ?



「何だ?城田ぁ、またお前かぁ?」


「いや、違うって!なんでもないから」



あきらかに、怪しい・・・。



じーっと見ていたら、城田が気づいた。






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