それだけ ~先生が好き~


「悠、いいよ。私平気だから、みんなと話してきて。せっかくの修学旅行なんだからさぁ」


私がもし風邪とかだったら、心配してくれてもいいのかもしれないけど、これは私自身の問題。


気持ちの持ちようだから。


そんなことで悠に迷惑をかけたくないよ。

ずっと楽しみにしてたんだから。


笑ってごまかす私の気持ち、きっと悠は知っているだろうけど。




「・・・いいの?じゃあ、気分悪くなったらすぐ先生に言いなよ!」



私は笑顔で手を振って、遠くに行く悠を目で追った。


あ、先生の近くだぁ。

いいなぁ。


私も元気だったら行きたかった。


先生と写真撮りたかった。



写真、先生と撮ったことない。



合唱祭のとき、晴香と先生のツーショットを撮るのは・・・辛かったなぁ。



笑顔の晴香と


私を心配して苦笑いの先生



あれも今では思い出っていえる。



それは、先生が私を想ってくれているから。



みんなの騒がしい声は、だんだん薄れていく。



気持ち悪い。



やだな・・・。




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