† Lの呪縛 †
正妻は慌ててシーツで身体を隠した。



「金なら好きなだけくれてやる! 今すぐ出て行け!!」



あくまで知らぬ存ぜぬをつき通そうとするランドール家当主。


だが、その目には焦りの色がとって見える。



「お金など欲しくありません。 私が欲しいのは貴方の命だけ」

「な、何を馬鹿なことを……っ!!」



当主はベルの直ぐそばにいるネヴィルを睨み付ける。



「ネヴィル!! この女をつまみ出せ!!」



ネヴィルは無表情のまま、当主をみている。


危険な状況であることは間違いないが、それよりも妙な雰囲気であることに正妻は何より困惑していた。



「何を黙って突っ立っているんだ!! 私の命令が聞けないのか!!」

「私の契約者はベルだ。 貴方は私に命令する立場ではない」

「その女と交わした契約を忘れたとは言わせんぞ!! 私に害を成すもの達から私が死ぬまで守るという契約ではないか!!」

「あ、あなた……これはいっ……」

「お前は黙っていろ!!」



当主に怒鳴られた正妻は、脅えた顔になり涙ぐむ。


涙は一気に溢れ、今にもこぼれ落ちてしまいそうだ。





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