† Lの呪縛 †
森の上空を飛び回っていると、ネヴィルの全身に微かに電流の様なものが流れた。



_何だ、今のは……。



ネヴィルは初めての感覚に驚き唖然となった。


その時また違うものを感じ取った。


息を震わせ怯えた呼吸。


それは人間では到底感じられない程小さな気配。


気配を追い、向かった先には小さな洞窟があった。


ネヴィルは気配を消し、洞窟の中へと足を進めていく。


すると先ほど感じた怯えた気配が段々と確実なものへと変わっていく。


洞窟の奥で丸く縮こまり、身体を震わせている少女をみつけたネヴィル。


彼の身体にまたビリリと電流の様なものが流れた。


彼は少女の容姿、そして気配を直に感じ、シャロンの言っていた言葉を漸く理解した。



「オリヴィアか?」

「ッッ!?」



オリヴィアはバッと顔を上げ、泣き腫らした顔でネヴィルを見上げた。


更に身体を震わせ怯えている。


顔を横に振り、涙をボロボロと零している。


泥まみれの洋服と体。


それでもオリヴィアの身体には傷一つなかった。





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