† Lの呪縛 †
ネヴィルはオリヴィアの背中を優しく摩った。



「騒がないと約束するなら、シャロンの処へ連れて行ってやる」

「約束する!! お願いっ、お母さんに会わせてッッ!!!!」



即答だった。


ずっと一人で村人たちから逃げ回り、母親に会いたい想いはとても強かった。



「では此処を出よ……」

「その子を渡してもらおうか」



二人を追い詰めるように、松明を持った村人たちが続々と集まってきた。



「大丈夫だ。 少しの間目を閉じ、耳を塞いでいろ」



ネヴィルは怯えるオリヴィアにそう声をかけた。


オリヴィアは素直に目を閉じた。


そして手をブルブルと震わせながらも、キツく耳を塞いだ。


ネヴィルの瞳が赤く染まっていく。


先頭でネヴィルの顔を照らしてい男はその変化に気付き、足を竦めた。



「さっさとその女を渡せ!!」



痺れを切らした血気盛んな村の若い男が、オリヴィアへ近付こうとズカズカと足を進めた。



「待っ……!?」



足を震わせ怯えきっている男が止めようとした瞬間、若い男の首が勢いよく跳ね飛んだ。


それは一瞬の出来事だった。





< 216 / 260 >

この作品をシェア

pagetop