† Lの呪縛 †
普段表情を崩す事のないシド。


笑った顔にも驚きだったが、険しい顔をした顔にも皆驚きだった。


ただならぬ様子にノエルはシドに詰め寄った。



「オリヴィアは!?」



ノエルを無視して会場を出て行こうとするシド。


だがノエルはそれを許さなかった。


咄嗟にシドの腕を掴んだ。


その手に力が籠る。



「……分からない」

「分からない!? どういう事だよ!?」

「突然走り出して、追いかけたが見失ってしまった」

「見失ったって……っ、何やっ__」

「ノエル!」



アレンが今にもシドに殴りかかりそうなノエルの声を遮った。


不穏な空気を感じ取ったレッドフォード伯爵夫妻、ミセス・ルーズヴェルトが駆け寄ってくる。



「何事だ」



ダグラスの声に反応したノエルは、突き飛ばす様にシドから手を離した。



「オリヴィアがいなくなった」

「何ですって!? シド、貴方といたのではないの!?」



今度はクレアがシドに詰め寄った。





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