† Lの呪縛 †
「かもしれない……ではなく、間違いなく奴らを炙り出せる」

「どういう事? 勿体ぶってないで、早く説明しなさいよ」



女性は腰を折り、ソファーの背もたれに肘を付き頬杖をついた。


不満そうな顔をしてダグラスの横顔を見ている。



「オリヴィアの部屋に駆け付けた時には、既に野盗に撃たれた後だった。 胸元を赤く染めたオリヴィアを見て、愕然となったよ」



ダグラスはその時の事を思い出しながら、ビリヤードルームにいる者達に話をした。



「オリヴィアを抱きしめているノエルに近付き、ノエルの顔を見て直ぐに分かった。 オリヴィアが殺されたんだとね……」

「何よ!! 結局殺されちゃったんじゃないの!!」

「おい、キャシー……お前はもう少し黙って人の話を聞けねぇのかよ」



キャシーは真っ赤な唇を尖らせ、ムッとした顔でダグラスの目の前に座る男性を睨み付けた。



「オリヴィアの胸に手を当てると確かに心臓が止まっていた。 だが唇が微かに開き、息をしたんだ」

「心臓が止まってるっていうのに息をしたの!?」

「驚いてまた胸に触れると、心臓も動き出していたよ」



ビリヤードルームは静寂に包まれ、各々が色んな考えを頭の中で張り巡らせていた。





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