愛言葉
「単刀直入に聞く。そんなに結依が好きなのか?」
「悪ィか」
「俺の彼女だ…」
「知ってる」
当たり前のことを聞いてくる兄貴にため息がこぼれた。
兄貴の聞きたいことはこんなことじゃないだろ?
「ちゃんと言えよ」
「うぐっ」
「早く」
「…結依から、離れてくれ」
やっぱり。
そんな事だろうと思った。
「無理」
それだけ言い残し、俺は部屋に向かった。
誰が離れるか…明日からはもっと近づくんだ。
彼氏が居ようと、それが自分の兄貴だろうと関係ねぇ。
俺が、相模の事が好きって事に変わりはないんだから。