アオ×ソラ2~music is special!!~

オレはそこから逃げ出した。

…というよりも見てられなくなったんだ。

オレの知らないところでハルは歩こうとしていた。

そんなことにも気づかないでいた。

オレは心のどこかでハルを悲観的に見ていたんだ。

なにしてんだよ。

ハルはハルだろ?

 「…馬鹿野郎。」

とにかく自分に言い聞かせた。

ハルは普通だ。

みんなと違う所なんてひとつもない。

そう言い聞かせた。

柄にもなく部屋で机に向かう。

何をするわけでもなくただ黙っていた。

 「兄ちゃん、ただいま。」

 「ん、おかえり。」

ハルの右頬には擦って出来たような傷跡があった。
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