委員長とイケメンぼっち
次の日

「恵斗君、たべよ!」

「恵斗氏、一緒に昼を食べましょうぞ!」

「みんなで食べようよ!」

「そうしよう!そうだ!恵斗君、今日恵斗君のために自作の卵焼き作ってきたよ、吉田君のもあるよ!」

「おぉ!さすが委員長、やるでござるな!」

「楽しみだ」

俺は初めて机をくっつき合わせて昼を食べた

誰もいなくて臭いトイレとは比べものにならないくらい最高の昼だった

その時間はあっという間にすぎてしまった

キーンコーンカーンコーン

そして午後の授業も終わり、放課後

「おい恵斗!」

聞いたことのない声が聞こえてくる

そこには俺が苦手だった田中健人の姿があった

「帰りにゲーセンよってこうぜ!」

「え?なんで俺なの?」

突然の誘いに焦る

「お前じゃないとダメなんだよ!ナンパするには!」

「はい?」

「でも、田中氏。ナンパが成功したとしても全部恵斗氏にもってかれちゃうのでは?」

「あっ!しまった!」

一体なにを話してるのか全く理解できなかった

俺なんかが近くにいたら不幸しかこないよ

でも、ゲーセンには行きたいな

「ま、とりあえずいこーぜ!」

「拙者もお供するでござる!」

「いいけど委員長誘っていい?」

「お?お前委員長となかいいのか?」

「うん、」

「最高だな」

「?」

「とりあえず誘ってくるね〜」

「わかった、玄関で待ってるからな!」

「田中氏、恵斗氏マジで気付いてないでござるよ?」

「なにがだ?」

「自分がモテているってことに」

「なんだって!?」

「このまえ話した時も『俺はいつも悪口を言われているんだ、でももう慣れたよ』とか言ってたでござる…」

「まぁ女子のヒソヒソ話は悪口にしか見えないもんな」

「本当は恵斗氏に対する恋心なんでござるが」

「いいよなぁ、俺もあんなにイケメンだったらよかった」

「今のままでもなかなかイケメンでござるよ?」

「やめろ、てれるだろ」


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