天使の歌
「そう、キュティちゃん。良い名前ね。」
「有り難うございます。」
ディリーの明るい笑顔に、キュティも自然と笑みを浮かべた。
「……それじゃ、私、行きますね。まだ買い物、在るんで。」
キュティは会計を済ませると、ディリーに手を振った。
「じゃあね。また何処かで会えると良いわね。」
ディリーも笑顔で手を振ってくれる。
さっき迄の怒りは、何処かへ消えていた。
明るい気持ちで肉屋を出たキュティは、気付いていなかった。
ディリーが、不敵な笑みを浮かべていたのを。