ナピュレの恋【完】

「新山さん、ほら立って」


なつこが手を差し出すも彩花はその手を取ろうとしない。


「だって…だって…あたしの、せいっ…」


彩花は泣きじゃくった。


「うん、もう新山さんの思いは伝わったから。だからもう泣かないの。目腫れるわよ?」


ニヤリなつこが笑うと


「なつこさんだって…目、腫れ…ま、すよ…」


泣きじゃくりながらも彩花は答えた。


「そうね、じゃぁ二人で明日、目腫らして仕事しましょうか?」


なつこも彩花に負けないくらいボロボロに泣いていた。


それでも立っていられたのは裕也がなつこを支えていたから。
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