ナピュレの恋【完】

だけど、忘れられるはずもなくて…。


あの日、裕也と別れてすぐにこっちに来た。


あたしがチケットを取ったのは、裕也と別れた後すぐこっちに戻る為。


裕也に気付かれないように、花音と会うと嘘を付いてすぐに函館へ戻った。


裕也と歩いた道。


裕也と一緒に食べた食事。


色んな事を思い出しながら、ゆっくりゆっくり歩いて…。


ホテルも同じホテルを取って。


一人ベッドで泣いて…。


午後8時を過ぎると函館山に上って、カップルや家族がいる中、あたしは一人夜景を見つめた。
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