桜廻る
「で?あの男は何なのよ?あんたの彼氏?調子乗るのもいい加減にしろよ!」
痛みを堪え、雅は立ち上がる。
「私は……」
「──雅」
言いかけた途端、聞き慣れた声が耳に入ってくる。
「土方さん……」
土方は雅の膝の血を見て、驚いたような顔をし……。
杏奈を、見据えた。
「謝れ。お前がやったんだろ」
杏奈は土方を睨み返す。
「誰がこんな奴に……」
「いいから謝れ!」
怒鳴られ、杏奈は唇を噛む。
そして、雅と土方を交互に睨みつけると、その場から走り出した。