桜廻る
「杏奈、早くしろよ」
「どんだけ待たせてんだよ」
杏奈に変わって、男達が迫ってくる。
そして、腕を掴まれる。
(い、嫌だ──)
雅は震える手で、男を強く押した。
そして、ありったけの力を込めて、腹を蹴る。
「いってー!てめぇ何すんだよ!」
男が怯んだ隙に、雅は走り出した。
(早く……早く……っ!)
ガクガクと震える足。
それでも、地面を蹴って走る。
……しかし。
「何逃げようとしてんのよ?」
杏奈に、再び腕を掴まれた。