桜廻る
富士山丸が来た。
土方達の乗る船が、ついに到着したのだ。
「それでは、宜しくお願い致します」
近藤が頭を下げ、丁寧にそう挨拶をしていた。
それに笑顔で答えるのは、船長の榎本武揚(えのもとたけあき)。
「いえいえ、こちらこそ頼みますよ」
にこにこしながら、榎本は船の中へ案内した。
雅も土方の後ろをついて行く。
榎本は雅の姿を視界に捉えると……少し、眉をひそめた。
「女……?」
雅を数秒見つめる。
微妙な雰囲気になった時、丁度よく土方が説明した。