桜廻る
「雅さん」
雅は襖を閉め、中に入っていく。
そして沖田が寝ている布団の側に座った。
沖田は木造の天井を見ながら、話し出す。
「……今、ちょっと昔の事を思い出しました」
「昔の事……?」
「はい。数年前の事なんですけど……」
雅は沖田の話に、耳を傾ける。
「ある一人の女の人がいて……。私、その人の事、好きになったんです」
「……」
「でも、口を開けば反抗するし、我がままで、意地っ張りで。剣の腕は私より上だし、頭もいいし……」
口元は笑っているが、声は切なそうだ。