桜廻る




沖田は目を丸くする。


手紙……。


そんなの、思い付かなかったからだ。





「だから、無理なんてもう言わないで下さい」





お願いしますと、続ける。





「おい雅。ちょっと来い」





ちょうどその時、襖の向こうから土方の声がした。


雅は沖田に軽く頭を下げ、立ち上がる。





「雅さん、ありがとうございます」





一人になった沖田は、小さくそう呟いた。




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