王に愛された女




 ルークは小さく笑う。

「全ては、この王国の為だ…」

 ルークは顔を上げた。

 フリーゼルが訝しげな顔でこちらを見ている。

「安心しな…。アンタには関係ないんだから…」

 ルークは、聞こえるはずがないとわかっていても呟かずにはいられなかった。

「……くくく」

 含み笑いを漏らし、鼻の上まである前髪を掻き上げる。






 そこには、金色の目と銀色の目があった。

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