王に愛された女





「…でも、二人はきっと幸せだよ」

 ミィナの言葉に、フィオーレは「え?」と声を漏らした。

 彼女の言葉の意味がわからない。

「どういうことだ?」

「…だって、二人とも同じお墓で眠ってるんでしょ?」

 ミィナはそう言って、墓に手を合わせた。

「…そうだな。一緒にいられるなら、幸せだろうな…」

 フィオーレは空を仰ぎ見た。

 なぁ、そうだろ…?

 青空のどこかにいるであろう妹に、そう問いかけながら。

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