王に愛された女



 アルバムには二人の男女が映った写真が貼られていた。

「父さん…母さん…」

 写真の隅には“ミハエル”“エズモア”とそれぞれ男女の下に書かれている。

 男、ミハエルは人間離れしたような美青年。同じく美形なガブリエルは父親によく似ている。金髪に青い目、その特徴も二人とも同じだった。

 女、エズモアはミハエルほどでもないがそこそこ美形だ。大きな赤い目、髪は銀青でオラシオンは母親似だ。

 ――と、フィオーレは小さな紙切れが挟まっていることに気付いた。

 いつから挟まっていたのだろう?

 フィオーレは紙を開いた。

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