王に愛された女




 フィオーレはガブリエルが眠ったのを確かめると台所の棚を開けた。

 ガブリエルは体調を崩したのか昨日から起き上がることさえ困難なことになってしまった。彼女の看病をするために一日仕事を休むことにした。

 それで、仕事の時間なのに今日は家にいるのだった。

「…確かこの辺に…」

 フィオーレは棚の中を探った。

 右手に、紙の束が触れる。

「ビンゴ」

 フィオーレは紙の束を引きずり出した。

 引きずり出したそれを開いてみる。

 それは、アルバムだった。

< 32 / 267 >

この作品をシェア

pagetop