ブラックⅠ-出会い-



学園祭の出し物を決めて次の週からさっそく準備が始まった。



友達もいないどころか軽く浮いている私にもちろん仕事なんかなくて、やることだってない。



「あーちゃんアメ食べる?」



イツキは友達がいないわけじゃないし、むしろ人気者で皆からキャーキャー言われてるから




「大丈夫、いらない」



準備をしなくたって、むしろイツキが何か手伝おうとすると「イツキ君は座ってて!」なんてニコニコ笑顔を向けられていた。




けど私はそうじゃない、イツキみたいに人気者なわけでもなければ、友達だってブラストのメンバーしかいない。



このままじゃダメだって分かってる。




郁也と付き合ってから全く友達関係なんてなかった私。



友達が出来ないのも、人がよって来ないのも自分が悪い部分があるんだって分かってる。




別にイツキといつも2人でクラスにいるのだって十分楽しい、むしろ不服なんて全くない。



だけどこのままじゃダメだ。ダメなんだって思う。




一向に前に進まないじゃないか、自分で自分を変えなきゃと。




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