ブラックⅠ-出会い-
そんな視線になんて1ミリも気にすることなく
「じゃあ俺こっちだから、お前はそっちの階な」
そう言ってレイジは2年の教室を指差す。
どうやらレイジは二年生らしい。
「え?ちょっと待ってよ!私の事置いてくの?」
紺色の学ランをギュッと掴むと
迷惑そうに私を見つめる。
「俺に1年の教室行けって?」
「だって私、私服だよ!転校初日からイジメられたらどうするの!?」
なんたって今の私はめちゃくちゃ浮いてるんだから!
けどどうやら私はそれどころじゃなかったらしい。
やってはいけない事をしてしまったらしい。
「ちょっと!あの女レイジさんのこと触ってるんだけどー!」
「ありえない!ブスのくせに!」
1人の女の叫びに思わず背筋がギョッとして、つかんでいたレイジの学ランを急いで離す