トイレの神様‐いいえ、ただの野次馬です‐




学校の友達にも「最近元気ないね」と心配されている。



「まさか、いつも通りよ」


と、その場はやり過ごしたけれど。




うすうす自分でも気づいていた。


彼に会えなくなってから、少しづつではあるけれど確実に、調子を崩してきている。



自分でも気付かないうちに、彼があたしの中でとても大きな存在になっていた。




あの時、うっかり居眠りをしなければ、彼は今も姿を見せていたのかな。



考えても仕方ないことを、たらればで振り返る。


そんなことをいくらしても、あの幸せな時間は帰ってこないと知っている筈なのに。




未練だけが残る。


どうしようもなく、日に日に沈んでいく気持ちを抱え続けている。




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