転校生のカノジョのヒミツ
お昼。
彼女と入った、ファーストフード店。
某m店である。
もちろんおれのおごりである。
いやぁたかが六百円である、楽勝・・・とまでは言えないが・・・。一応ねぇ・・。
さぁ食べよう、雑談しようと思ったとき彼女は唐突に切り出した。
「私さぁ、二重人格なの。」
「はぁ?」
まぁ思い当たる節はあった、だが・・・いきなり言われて受け止められるほどおれの心は図太くない。
「冗談・・・じゃないよね?」
まぁ表情とか、彼女のこととかいろいろ思えば、冗談ではない。
それくらいはわかる。
「うん。だから、この学校に連れてこられたの。いつの間にか問題起こしちゃって。」
「そうなんだ・・・。」
もうひとりの、無表情さんはそういうタイプに見えなかったのだけれど・・・
「ねぇ、もうひとりの私ってどんな人?」
興味深そうに彼女聞いた。
気になっているように。
どこか切なそうに、辛そうに。
その答えは・・・なに?
おんなじ声で、おんなじ顔で、おんなじ体で、おんなじ頭で、
「普通の女の子だよ。」
二重人格で無表情で普通の子。