グッバイ・ティラミス

不意打ちコンフリクト




「うん、いいよ。」

「えっ?」



ーーダメです。


そんな言葉が返ってくるのを、玉砕覚悟で待ちうけていたところ。

先生から返ってきた答えは、私の予想を一段階どころか、二段階も三段階も超えたものだった。


「一緒にティラミス食べようか。」


目尻を使って先生が微笑みながら、私のことを優しく見てくる。

…いまいち、状況が飲み込めていない。


「なんで…?」


頭が、ついていけない。


なんで先生は断らないの?
先生はティラミスが嫌いなんじゃないの?
生徒にそんなこと誘わられたら、本当はいけないんじゃないの?


なんで先生は、いつもと変わらない様子で、ゆったりとしたペースで私の誘いに応じてくるの?


「なんで、って…
なっちゃんがティラミス食べたいって言ったんじゃん。」

「そりゃそうだけど!」



先生の真意が、掴めないんだよ。



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