グッバイ・ティラミス



懐かしいなぁ、とか思いつつも、手先はものスゴイ速さで洗濯物を処理していて。あの頃家事なんて一切やらなかった私が、3年の月日を経て1人暮らしをするようになって、主婦負かせの嫁力を発揮するようになっていた。



電話の向こうでゴニョゴニョしてるのが聞こえたので、もう一回位置を整えて、肩と頬の間に電話を挟み直す。




「…で、なんで急にそんな話してきたの?」

「いや、特に深い意味はないんだけどさ、今日のおやつがティラミスだったから。」






先生のことを、思い出しちゃって。

…そんな言葉を飲み込みながら、洗濯物が終わったら食べようと思って机に置いておいたティラミスを横目でチラッとみる。




ティラミス、久々に食べるなぁ。






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