ツンデレ彼女。
「止めた方がよくないか?」
正義感の強い理恵は時奈にそう言うが、
一方の時奈がそれを笑いとばす。
時奈は赤茶の巻き毛を手でいじりながら
得意気に言った。
「ウチも最初はそう思ったけど、やってみたら病みつきだよ。金が手に入るし、一石二鳥!」
「いやマズイって」
「いいのいいの。男なんてバカばっかだし、理恵もやってみたら?理恵、性格はともかくとして可愛いんだから」
時奈は理恵が手に負えないくらいの不良だった。
時奈が中学に行ってなかったのも、
時奈が校則を破ってバイトしてたのも理恵は知っていた。
しかし、今回の件は知らなかった。
聞いたこともなかった。
「別に可愛くなんか......」
理恵は目を反らしながら時計に目をやる。
と同時にチャイムが鳴った。
生徒達は席につき、友達と話している。