heart and cold~私には貴方だけ~【完】
本当にきれいな璃花の顔。
最後に見たのは、璃花が泣きじゃくって疲れて眠っていたとき。
そういえばあのとき、すごくキスしたくなってしまったんだ。
白くてキメ細やかな肌に
伏せられた長いまつげ
柔らかそうな頬
見とれて自然と引きつけられてしまう。
だがその辺はわきまえる。
耐えられる限り耐える。
璃花が望まないから…
クラスメート全員が居なくなって、教室には璃花の静かな寝息だけが聞こえる。
起こすことが勿体無く感じて、進む時間を恨む。
地道に近づいていこうと思っていた俺にとって、こんな間近に居られることは幸せだ。
…でも時間は守らないと璃花に迷惑がかかる。
「夏目さん、時間だよ。」
優しく声をかける。
「夏目さん?委員会に遅れたらまずいよ。」
起きない。
もしかしたら…
「璃花、起きろ。」
極力声を潜めて、そっと呼んだ。
すると、静かに目が開かれた。