heart and cold~私には貴方だけ~【完】
「璃花?」
「なに?」
あたしの名前を呼ぶ声は優しい。
「俺も、キスができて嬉しい。」
……顔に火照りを感じた。
今の顔、見られたくない。
顔をそらそうとしたその時
「ダメ、見せてよ。」
微笑みながらはるき君も両手で、あたしの顔を挟んだ。
お互いの顔を両手で挟み合うなんて…
なんて恥ずかしいの!!
「“俺も”ってなに!あたしは思っていないわよ!」
顔がそらせない代わりに必死に視線をずらす。
「あれ?違った?“キスできる相手がいるだけで不思議なのに”みたいな顔してたでしょ?」
「…………」
どうしてわかるのだろうか…
「ね?だから、俺も嬉しいよって。」
今までで、というほど長く彼を見てきてはいないけれど、
見てきた中で一番優しい笑顔をしている。