嘘吐きなその唇で
「だから、金輪際ブスは俺に近付かないでほしいんだけど。そうだなぁー……。灑良よりブスじゃなかったらいいや」
『ちょっと、それどういう意味?』
心底不快な顔をして正面を向けば、男は清涼感溢れる笑顔を浮かべていた。
あのさ、さっきの発言とその笑顔、全く合ってないよ?
てか、朝からその言葉聞きたくないんだけど……。
私は彼に軽蔑な眼差しを向けた。
彼の名前は津田 雅哉(ツダ ガヤ)。
同じ学年で同じクラス、さらには同じ誕生日で、席も前後と色々と接点がある。