嘘吐きなその唇で
* * *
開け放たれた窓。
私は机に頬杖をつき、野菜ジュースを飲みながら、そこから澄み渡る空を無表情で仰ぎ見ていた。
「ブスはブスらしくブスなりにブスな男と付き合って、最上級のブスになればいいんだよ」
あぁ、今日も春風が辛辣な言葉を遠くへ飛ばしてくれる。
そうね。
私、何も聞こえなーい。
「何度言えば分かってくれるんだよ。俺がこの世で最も嫌悪しているのは、ブスな女だ」
なんて、清々しい空気何でしょう。
ほんと、気持ちいい――…