嘘吐きなその唇で



ちょっ、雅哉の自慢の脚をここで使わないでよ。



雅哉の隣に並ぶ為に、小走りで追いかける。



『雅哉、歩くの速い!』



「お前が短足だからだろ?」



雅哉は振り向きざまにニヤリ。



私は雅哉が立ち止まっている隙に歩みを速め、その脇を無言で通り過ぎる。



誰が短足だって?



その短足に追い越されたね、雅哉?



「えっ、まさかの?」



後方から雅哉の苦笑いが聞こえる。


< 52 / 75 >

この作品をシェア

pagetop