嘘吐きなその唇で
激しい動悸と膨張する緊張。
そして、焦燥。
驚き慌てて平静を失った私は勢いよく振り返る。
そこには、夜なのにもかかわらず着流しではなく、スーツ姿の朝比奈“先生”がいて……。
『なん、で……?』
思わず口からこぼれた言葉に、彼は目を細めて言った。
「それは、こっちの台詞ですよ?お二人さん。夜遅くまで、こんな所にいたら駄目でしょ」
口を開きっぱなしで唖然としている私の頭に手をのせる朝比奈さん。