勇者34歳
この男はいきなり何を言い出すのか。

「わけがわからない。説明したまえ。」

ナターシャさんがリーヴェに言う。

「このへんに出るのは中型のモンスター、狼が変異したやつが多い。」

リーヴェがそこまで言って、
ナターシャさんはいきなり納得顔。

「血の臭いで狼型モンスターを呼び出すか。」

「はい正解。倒したら上手に焼いて焼き肉パーティーといこうず。」

実際焼き肉パーティーができるまで
どこまで時間がかかることやら。

「リーヴェさん、イルルは何時まで詰所にいるのかね?」

ナターシャさんがリーヴェに聞く。
そういえばイルルが帰ってこない。

常識とかは色々と残念なヤツだが
方向感覚はちゃんと人並みだ。

…俺と違って…。

「あ。忘れてた。」

リーヴェがヤッチマッタ的な顔をした。

「イルル迎えに行かないと。今ごろお腹空かせて泣いてる!」

ナターシャさんが血相を変えて慌てている。

過保護すぎる。
が、お腹を空かせて泣きながら
暴 れ て い る の間違いじゃなかろうか。

宿屋を飛び出して行ってしまった。

俺はどうしよう、とリーヴェを見た。

「ナターシャさんも子供じゃないし、大丈夫だと思うけど。」

リーヴェは楽観的に構えていたが。

「違う、ナターシャさんは方向音痴なんだ!このままじゃ二次災害になりかねん!」

俺がリーヴェにそう言うと
リーヴェも少し焦って宿屋を出ていった。

「ぽこさん、町の外の駐車場で。」

とだけ、言い置いて。

…俺、どうしよう。
1人で駐車場まで行ける自信がない。
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