勇者34歳
「別に馴れ合う必要もございませんし。」

レグナくんがツンツンしている。

「じゃ、オレはこれを届けたから。」

デルフさんがそう言って

無言で部屋に入って

イルルの頭をわしゃわしゃと撫でて

「じゃ。」

と言って去っていった。



「…サカヅキのきょうだいってあんな感じなのか?もうちょっとベタベタしてるのかと思ったけど。」

ヤクザの兄弟分みたいな
暑苦しいのを想像してたので、意外。

レグナくんがぽかーんとしている。

「実際に見るのは初めてじゃからのぅ。」

ナターシャさんは
嬉しそうな顔から平常心の顔に戻った。

「そろそろ休むかのぅ、この一角の部屋は割と自由に使ってよいからのぅ。1人1部屋じゃよ。」

ナターシャさんはそう言って

デルフさんがイルルの頭を撫でていた時間の2倍くらい

イルルの頭を撫でると

「おやすみのぅ。」

と言って
静かに出ていってしまった。



俺も寝るか、と部屋を出ようとしたら
既にリーヴェが看病疲れの人のように
イルルの掛け布団を枕にしてダウンしていた。

まさに戦闘不能。



リーヴェを動かすほうが面倒なので

結局、宿屋に泊まるみたいに
数人1部屋になってしまった。



広い部屋ひとりで使いたかったな…。
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