勇者34歳
とりあえず、レグナくんには
伝えるべきことは伝えたと思う。
ナターシャさんへの伝言だけど。

というわけで、宿屋に戻ることにした。

どうでもいいけど
ちびっ子達の下校時刻は過ぎているようだ。

情報収集が
どの程度の長期戦になるのか
全く予想がつかない。

でも、
あまりにも遅い時間に
イルルがうろうろしていると
補導されそうだ。

とか、そんな感じの考え事をしながら
歩いていたわけだが。

「…あれ?こんな道、通ったっけ?」

いつの間にか
見覚えがない道を歩いている。

答えは、一つしか無かった。
まるで算数のようだ。美しいな。

って、そうじゃなくて!
現実逃避してる場合じゃなくてだな。

「どう考えてもこれは迷子だな…。」

俺は盛大に
エクトプラズムが混入したため息を吐いた。

散々迷い、その辺の店で
宿屋への行き方を訊きながら
なんとか宿屋に辿り着いた。

宿屋に辿り着いた頃には、
月が出ていたけど
とりあえず到着したからいいや。
< 299 / 353 >

この作品をシェア

pagetop