勇者34歳
「まぁええわ、一応抵抗したから。」

あっさり諦める魔族のボス。
おいおいそれでいいのかよ。

「命あってのモノダネって言葉があるやろ?」

そりゃあるけどさ。

「元々人間発祥の言葉やろ。」

そのとおりではあるんだが。

「さすがにトシ食った勇者は老獪というかなんというか。」

むかついたので魔族のボスの頭を拳骨で殴った。

「いてぇ!」

「じゃあおとなしく部下を引き上げてくれないか?」

リーヴェがニヤニヤしながら言う。

魔族のボスは縛ったまま、
鉱山に連れていくことにした。

イルルが抜き身の刀を背中に突き付けているが、
もう気にしない…。
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